「核のゴミ」について
原発の問題点の一つに「核のゴミ」があります。原発は核分裂生成物という放射性物質を生み出します。日本は46年間にわたって原発を運転してきたのですが、核のゴミの総量は広島原爆で生み出された量の120万倍になるそうです。
無毒化や高速増殖炉で対応することが期待されてきましたが、失敗しました。そこで、隔離する案がいくつか出されました。まずはロケットで宇宙に廃棄する案。これは地球から出る前にトラブルが発生してしまうと大変なことになるのでボツに。次に海底に廃棄する案が出されましたが、海洋汚染の可能性がある上に、海は原子力をやっている国だけのものではない、とのことで国際条約で禁止されました。南極に廃棄する案も、特定の国のものではないことや南極条約で禁止されていることから不採用になりました。
そこで日本政府は、核のゴミを地下に埋めることを法律で決めました。地下300~1,000メートルの深さまで穴を掘り、そこに埋め捨てる、というものです。日本は地震国ですから、地下保管は心配です。しかも、この核のゴミは100万年くらい保管する必要があります。そのくらいの長期間ですと、山が海になったりするような地殻変動も十分考えられます。
よく原発が「トイレのないマンション」といわれるのは、こうした理由なのです。
経理総務部 渡辺雅彦
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