「冷温停止状態」とは
東京電力福島第1原発事故で、政府は原子
炉が安定した「冷温停止状態」が実現し、事
故収束に向けた工程表「ステップ2」が完了
したと発表しました。
しかしこの発表で用いられた「冷温停止
状態」とは、「冷温停止」とは異なるもので
す。冷温停止とは燃料棒の隙間に制御棒が
入り、大量の水につかった状態が確保され
水温が100度未満に安定していることを示し
ます。
一方、今回の「冷温停止状態」は燃料棒そ
のものが溶け落ちてどこにあるのか不明な上、
水につかっているのかどうかも不明です。測
定している温度計は圧力容器底部のもので、
直接水温を測っているわけではありません。
いろいろな場所に温度計があるのですが、実
際、一部の温度計は400度近くを表示している
とのことです。この状況では、水を供給し続
けなければなりません。当然、汚染水もどん
どん生成されてしまうことになります。
「冷温停止状態」は、このままの状態が維持
できれは、放射性物質の拡散がかなり防げる
という状態です。しかし、決して安心できる
状態ではない、ということが言えると思います。
経理総務部 渡辺雅彦
コメント