エネルギーミックス
総合資源エネルギー調査会基本問題委員会を
中心に議論されている「エネルギーミックス」。
将来、どんな種類のエネルギーがどのくらい
の割合を占めるかということです。
その中で、原発の比率が0%、20%、25%、
35%の場合という想定での議論があります。
ここで注目したいのは、あたかも20%や25%
という「選択肢」が「中間的」であるかの
ような印象がありますが、実はそうでもない
という点です。
現時点で政府が表明しているのは、「原発の
新規建設は実質的に無理である」ということ
と「原発は原則40年を経過したら廃炉にする」
ということです。
現在、原発の新規建設はほとんど無理な状況
を考えますと、2030年時点で稼働できる原発
は現在の54基から19基に減ることになります。
2030年までに原発の比率を35%にするのを実現
するには、何とかして原発を新規建設するか、
40年で廃炉するべき原発を無理して60年まで
使う必要があります。
老朽原発では、金属が単に劣化するだけでなく、
中性子が金属を攻撃する“脆化”という現象が
起きます。世界では、平均で廃炉になる期限は
30年に満たないのが現状です。
福島第一原発の1~4号機はいずれも1970年代に
建設され、30~40年を経過した老朽原発であり、
古くから米国原子力規制委員会(NRC)が地震
に弱いと指摘してきたマークⅠ型の格納容器を
持つ原発でした。
原発に関しては、国民にもっと情報を開示し、
よく議論する必要があると思います。
経理総務部 渡辺雅彦
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