第一回医工連携研究会に行ってきました。
主催:群馬大学と前橋工科大学 テーマー:「住み心地のよい住宅を目指す建築医工学」
私は持論として「住み心地の良い住宅を作るためには医学の知識も取り入れることが不可欠である」と思っていたので、この研究会の案内を見たときに「ようやくここまで来たか」と本当にうれしくなりました。
今までの住宅に対する研究は工学部の人間しか行っていなかったために、断熱性能や機密性能、耐震強度等ハードウエアーのことばかりで、そこに住む人間のことがおざなりになっていました。
ドイツでは既にバウビオロギーという考え方が広まっていて、住宅を考える際に人間が健康で安心して生活できる最小単位の環境を作るという考え方に立ち、人間の生理機能や精神的影響等も考慮され、環境負荷や生態系に対する影響等、私たち人間だけの都合で家を造ってはいけないと、法的にも厳しく規定されています。
発表された内容は、ハラサワホーム(株)と前橋工科大学工学部建築学科の三田村先生による共同研究「アレルギー疾患と住宅の因果関係についての研究と取り組み」
と群馬大学医学系研究科 神経精神医学の福田先生による「住み心地の良さを脳画像で明らかに出来るか?」と題して、光りポトグラフィーという装置で脳が感じている状態を画像化して観ることが出来るという発表
同じく群大医学系小児科学の荒川先生が「居住環境の変化は経皮感作を助長している?」というテーマーで複雑怪奇なアトピーの研究成果を
最後に前橋工科大学工学部建築学科の石川先生が「バウビオロギーの理念・活動」(快適な住まい造りのための建材・構造等に関わる住宅設計研究)と題して発表され、企業1社、工学系学者2名、医学系学者2名の5名の方による発表をお聞きしました。
私の感想としては、1回目ということもあり各者それぞれ素晴らしい発表でしたが、今後は各研究者が互いに突っ込んだディスカッションに発展していけば、医学及び工学で互いに見えていない部分が明らかになり、住宅が抱える本当の問題が解決できると確信しました。
この研究会が全国規模に発展していくことを願いたいと思います。
by 小井土 靖
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