のこぎり
大工道具の必需品の一つに「のこぎり(鋸)」
があります。鋸を調べてみたところ、古墳時
代の出土品が、日本における鋸の初見だそう
です。この鋸の刃は金切り鋸の刃のように細
く、長さも10センチ程度で、おそらくは金
属やシカの角など、特定の硬いものの加工用
に用いられていたと考えられています。
材料を切っていくと、材料の切断部分に鋸が
はさまれ、抵抗が増して、切りづらくなって
きます。それを解消するために、鋸の刃が交
互に外側に曲がっています。これを「あさり」
と言います。それにより、鋸の厚み以上の太
さに切ることができ、材料に鋸がはさまれて、
切りづらくなることを防止しています。また、
木屑も外に排出しやすくなり、作業効率が上
がるのです。材料によってあさりの大きさも
変わり、またあさりの無い刃もあります。
とても身近な道具ですが、こんな工夫があっ
たのですね。
工事部 石田卓也
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