活かされなかったデータ
福島第一原子力発電所の事故直後の昨年3月
17~19日、米エネルギー省が米軍機に空
中測定システム(AMS)を積んで空から放
射線測定(モニタリング)を行いました。
そして詳細な「汚染地図」を作成し、日本政
府に提供していました。しかし結局公表され
ず、住民の避難に活用されていなかったので
す。
放射性物質が大量に放出される中、北西方向
に帯状に広がる高濃度地域が一目でわかるデ
ータが提供されていたにもかかわらず、結果
として多くの住民がそうした高濃度汚染地域
に避難してしまうことになりました。
日本にも緊急時迅速放射能影響予測システム
(SPEEDI)があり、その試算結果の公
表の遅れが問題となりました。「予測の計算
が正しく行なわれているかの分析に時間がか
かる」なとど言われましたが、この米軍のシ
ステムは放射能の拡散方向を示す「実測値」
だったのです。
実測値なので、まずは高濃度汚染の広がる地
域からは極力離れる、という避難誘導ができ
たはずでした。いったいどういう経緯でこれ
が使われなかったのでしょう......
キチンと調査してほしいと思います。
経理総務部 渡辺雅彦
コメント