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2012年7月 7日 (土)

群馬大教授による津波被害研究

群馬大学の広域首都圏防災研究センター長で

ある片田敏孝教授によりますと、地震による

津波時の避難手段として、平野部では車を使

った方が被害が少なくなるケースがある、と

いうことがシミュレーション結果でわかりま

した。

研究対象としたのは、三重県の尾鷲市と米ワ

シントン州のロングビーチ半島です。リアス

式海岸の尾鷲市では、津波からの避難時に車

の利用率が高いほど死者が増える一方、ほと

んど平野部のロングビーチでは、車の利用率

70%の場合に被害が一番少なくなるとのこ

とです。

尾鷲市のシミュレーションでは、東南海・南

海地震で揺れを感じた5分後に1万8,520人が避

難を始め、20分後に約6メートルの津波が到達

すると想定。全員が徒歩だと犠牲者はゼロで

すが、車を使うと渋滞で逃げ遅れが発生しま

す。利用率20%で死者が出始め、比率が高ま

るに連れて増加します。50%で524人が死亡し、

全員が車だと1,622人が亡くなるという結果に

なりました。

ロングビーチでは海溝型地震の5分後に9,097

人が避難を始め、35分後に約8メートルの津波

が襲ったと想定。車の利用率が0%の場合に

最多の1,901人が死亡し、70%で最少の832人と

なりました。100%車使用だと渋滞が起こるた

め、1,153人と再び増える結果となりました。

国は震災前まで、津波からの避難時に「車は

原則禁止」などとしていましたが、震災後に

修正した防災基本計画では「原則は徒歩」とし、

「やむを得ない場合は市町村であらかじめ検討

する」と改めています。

わが群馬県は、津波による直接の被害はないの

ですが、「土砂災害」があります。山間地では

道路が寸断されることも予想されるので、避難

するのに車を使うのは困難です。群馬県は車が

ないと生活が成り立たな地域も多く、災害で孤

立した時の備えが肝心だと思います。

           経理総務部 渡辺雅彦

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