サハラ砂漠に世界最大級の太陽熱発電所
太陽光を反射鏡で集め、熱に変換してタービ
ンを回す集光型太陽熱発電(CSP)。この
方式で世界最大となる発電所が北アフリカ・
モロッコのサハラ砂漠に完成し、運転を開始
しています。
モロッコ中部のワルザザードは、「アラビア
のロレンス」や「グラディエーター」などハ
リウッド映画のロケ地として知られる都市で
す。CSPのヌール発電所はその近郊に建設
されました。
2018年までには100万世帯以上の電力
をまかなうようになる見通しです。年間約
76万トンの二酸化炭素(CO2)削減効果
が期待されます。
CSPの発電所は太陽光発電施設と比べて建
設費が高いのですが、夜間や曇った日のため
に電力を蓄えておくことが可能です。
反射鏡で集めた光で液体を加熱し、そこから
生じた蒸気でタービンを回します。熱媒体と
して使われる溶融塩は夜になっても熱い状態
を保つため、発電を続けることができるとい
うわけです。
モロッコは現在、エネルギーの97%を化石
燃料の輸入に頼っています。同国がエネルギ
ー資源を分散させ、再生可能エネルギーを利
用することに熱心なのはこのためです。
この発電所が稼働することで、総発電量の中
で再生可能エネルギーが占める割合は13%
から42%まで上昇し、住民の生活も安定す
る見込みです。
研究開発室 渡辺雅彦
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